◆季節性アレルギー性鼻炎
季節性アレルギー性鼻炎を引き起こす花粉は一年中飛んでいます。日本で花粉症といえばなんといってもスギ花粉症ですが、実は日本にはスギ以外にも多くの樹木の花粉症が知られています。
「スギ花粉の時期でもないのに鼻水が止まらない」「スギの木がないのに目がかゆい」・・・そんなときは他の植物の花粉症かもしれません。スギ以外で花粉症を起こす樹木や草と、それぞれの花粉症の特徴を紹介します。
冬から春:ヒノキ、シラカンバ、オオバヤシャブシ、コナラ、クリ、オリーブ、ハンノキ、その他
夏から秋:草本花粉(イネ科・キク科)
◆ヒノキ(ヒノキ科)
スギとヒノキの花粉は飛散時期がほぼ一緒ですが、通常ヒノキ花粉の方が少し遅れて飛びはじめます。
スギ花粉症シーズンの終わり頃にヒノキ花粉による症状が加わって症状が強くなることもあるので、花粉飛散情報を確認し、シーズンを通しての治療が必要です。
◆シラカンバ(カバノキ科)
北海道ではスギ、ヒノキの花粉症はほとんどありませんが、そのかわりに、シラカンバ花粉症がみられ、患者さんも徐々に増えています。
飛散時期は4月中旬~6月初旬頃で、主な症状はスギ花粉症と同様に鼻水、くしゃみ、目のかゆみです。また、口腔アレルギー症状を起こすことがあります。リンゴやキウイなどの果物を食べると口の中がかゆくなったり腫れたりします。
◆通年性アレルギー性鼻炎
通年性アレルギー性鼻炎は、季節と関係なく年中続くアレルギー性鼻炎です。アレルギーを引き起こす原因物質は人によって様々ですが、主にハウスダストが原因とされています。室内塵のことで、アレルギーを引き起こす原因物質となるヒトやペット等の動物のフケ、カビ、ダニ、細菌などがいくつか混合したものです。近年では冷暖房の普及や住宅の密閉化により増加していると言われています。
アレルギー性鼻炎の症状の出方や重症度は個人差があります。
つらい症状が続く前に病院や薬局で相談してください。
(著:白山店 管理薬剤師 三嶋 大策)