「かかりつけ調剤薬局」を目指すチェリー調剤薬局グループのチェリーコラム。

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チェリー調剤薬局の薬剤師がつづるチェリーコラム

 

夏の感染症


夏の今、いくつかの子どもの感染症が流行しています。
今、特に注意したいのが、RSウイルスと手足口病。新型コロナに比べると少ないのですが、RSウイルス、手足口病共に感染者は増えています。
医療がひっ迫している状況では、流行している子どもの感染症がどういうものなのか、感染したときに、どう対処したらいいのか、知っておくことが大切だと思います。

夏の感染症
RSウイルス感染症とは
RSウイルス感染症とは、RSウイルスの感染による呼吸器の感染症です。何度も感染と発病を繰り返しますが、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の乳幼児が感染するとされています。9月頃から流行し、初春まで続くとされてきましたが、近年では夏季より流行が始まるようになってきています。
非常に感染力が強く、幼稚園や保育園などの施設内感染に注意が必要です。

発熱、鼻水などの症状が数日続きます。多くは軽症で済みますが、咳がひどくなる、「ゼーゼー、ヒューヒュー」という喘鳴を伴った呼吸困難が出るなどの症状が出現した場合は、細気管支炎、肺炎へと進展することがあり注意が必要です。潜伏期間は2~8日、典型的には4~6日です。初めて感染する乳幼児の約7割は、数日のうちに軽快しますが、約3割は咳が悪化し、喘鳴、呼吸困難症状などが出現します。

RSウイルスは、RSウイルスに感染している人の咳やくしゃみ、または会話をした際に飛び散るしぶきを浴びて吸い込むことで感染します。感染の多くは、この「飛沫感染」によると考えられ、ドアノブなどの環境表面についたウイルスへの接触により、鼻や口などの粘膜や傷口などを通して感染する「接触感染」も成立します。

・しっかり手洗い・消毒し、感染をストップさせましょう!
・マスクでしっかり予防しましょう。

夏の感染症
手足口病とは
手足口病は夏季に流行し、7月にピークを迎えるウイルス性の感染症。原因ウイルスは「エンテロウイルス」と「コクサッキーウイルス」で、複数の種類があるので何度もかかる可能性も。患者のほとんどは小児で、5歳未満の小児が80%を占めますが、まれに大人にも感染します。

潜伏期間は、3~6日。
口の中の粘膜や手のひら、足の裏、足の甲などに水疱性の発疹が現れて、1~3日間発熱することがあります。水疱は、かさぶたにならずに治る場合が多く、1週間程度でなくなります。また、1~2ヶ月後に手足の爪がはがれることがありますが、大事にはいたらずすぐに新しい爪が生えてきます。
ですが、口の中にできた水疱がつぶれた後にできる口内炎(口の中にできた潰瘍)がひどく、食事や飲みものを受けつけなくなることから、「脱水症状」を起こすことも。 また、原因ウイルスの「エンテロウイルス」は無菌性髄膜炎の90%を占めるため、まれに脳炎を伴って重症化することもあるので注意が必要です。

手足口病は、くしゃみなどの際に出る飛沫によって感染する「飛沫感染」と、舐めて唾液や鼻水がついたおもちゃの貸し借りなど、手が触れることで感染する「接触感染」が主な感染経路です。また、回復後も口(呼吸器)から1~2週間、便から2~4週間にわたってウイルスが排泄されるので、おむつなどの交換後に汚染された手指を介して感染が広がります。

・しっかり手洗い・消毒し、感染をストップさせましょう!
・マスクでしっかり予防しましょう。

ウイルスによる感染症は手洗いとマスクで予防することが出来ますが近年は夏の気温が高く熱中症のリスクもあるため、マスクの着用時は周りの大人が水分補給や体温の管理など気を付けましょう。


夏の感染症
今、流行している新型コロナ、RSウイルス、手足口病は、どれも発熱することがあり、子どもが発熱した場合、新型コロナなのだろうかと心配するかと思います。発熱以外に、発疹があれば、手足口病の可能性が高いのですが、新型コロナとRSウイルスを見分けるのは難しいです。

まず大切なのは、生後3か月未満の子どもで38℃以上の発熱がある場合は、新型コロナ以外にも、様々なことが考えられるので、すぐに医療機関を受診することです。

自宅で過ごすときは発熱しても、元気な時は無理に熱を下げる必要はありません。ただ、エアコンなどで室温を下げたり、保冷剤などを利用して「体を冷やす」ことが大切です。それでもつらそうな場合は、「解熱剤」を使います。

そして、「水分補給は十分に」。脱水が起こらないように少しずつこまめに水分を補給します。水分以外に、経口補水液・母乳やミルクでかまいません。解熱剤で熱を少し下げると飲めるようになる場合もあります。さらに「脱水のサインに注意」が必要です。手足がいつもより冷たい、爪を押して色が白からピンクに戻るまで2秒以上かかる、目がくぼんで元気がない、くちびるや目の粘膜が乾いているなど注意しましょう。



(著:松阪店 管理薬剤師 三嶋 大策)



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